鉄道模型や「箱庭シリーズ」で有名な河合商会、自己破産申請へ

2012/10/18 06:45


箱庭シリーズ帝国データバンクは2012年10月17日、鉄道模型Nゲージ(線路幅9ミリ、縮尺1/150)の車両や風景模型「箱庭シリーズ」「風物詩シリーズ」で知られる[河合商会(http://www.kawaihobby.co.jp/)]が、事後処理を弁護士に一任することを明らかにした。今後自己破産を申請する意向であるという。現時点で河合商会側公式サイトには公知はなされていない([発表リリース])。



↑ 河合商会公式サイト
↑ 河合商会公式サイト

風物詩シリーズ・駄菓子屋河合商会は鉄道模型ジオラマ用パーツ製造及販売業「河合商会」として1971年設立。1973年には有限会社化し、その後「箱庭シリーズ」などジオラマ系模型も手掛けるようになった。代表作は「箱庭シリーズ」や「風物詩シリーズ」、そしてNゲージの鉄道模型(いわゆる「カワイのNゲージ」)。「箱庭シリーズ」「風物詩シリーズ」は昔懐かしい情景を切り取ったような立体再現モデルで、特に「箱庭シリーズ」では言葉通り本物の草をジオラマ上に育てる楽しさも提供している。

キ100 黄帯(長野・金沢)またNゲージの鉄道模型では小型蒸気機関車やディーゼル車、貨物列車を中心に大手メーカーが商品化しないようなマイナー系車両を模型化し、通好みのメーカーとしても知られていた。

リリースによると今世紀に入ってからは中国を中心に輸出関連の売り上げも伸びていたものの、リーマンショック以降は景気悪化でアジア向けの販売が減少。さらに得意先の倒産などもあって、売り上げは減退。その上東日本大地震・震災以降の消費自粛ムードの高まりや円高による輸出方面の採算悪化など悪材料が重なり、2011年8月期の年売上高は最盛期の2003年における約9億円の3分の1以下となる約2.5億円にまで低迷。業況回復の見込みも立たず、今回の事業継続断念となった。

同社が発売している商品の今後については、現時点で公式サイトに(事業断念の話も含め)見解が出ていない。各ネットショップでは在庫の確認はできるものの、今後の予定は不明。国内向けの鉄道模型をはじめとした模型分野では、インターネット販売の普及や団塊世代の定年退職時期も合わせ、今後も堅調な業況が期待できただけに、今件の話は残念でならない。



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