夏の日中消費電力95%削減の「ピークシフト自販機」、2013年から日本コカ・コーラで導入開始
2012/11/21 12:10
日本コカ・コーラは2012年11月19日、富士電機と共同開発した「ピークシフト販売機」を2013年1月以降、初年度の目標台数を2万5000台として、全国で設置を開始すると発表した。夏の日中に冷却用の電力を使わず消費電力を95%削減しながら、16時間に渡り冷たい製品を提供するのがポイント(【発表リリース】)。
↑ ピークシフト自販機
↑ 電力使用のピークシフト
コカ・コーラでは電力使用がピークとなる7月から9月までの午後1時から4時まで冷却を停止させる「ピークカット」や、2005年から進めている冷媒にフロンを使わないノンフロン自動販売機の導入などを推し進めている。そして震災後ではピークカットに加え、午前9時から午後8時まで輪番での冷却停止を実施。さらに今回開発した「ピークシフト自販機」では冷却のための電力使用を、一般的に電力使用が「ピーク」となる日中から、比較的電力に余裕がある夜に「シフト」している。
「ピークシフト販売機」はすでに今年の7月から2か月、猛暑で知られる場所で実証実験を行い、「日中は冷却を停止したままで最長16時間冷たい製品を販売でき、日中の消費電力を95%削減(2012年度製造の同型機平均値との比較)できることを検証」したとのこと。さらに冷却運転のためのコンプレッサーを長時間停止させることから運転音が発生せず、病院やオフィスのように静けさが求められるロケーションの設置にも適しているのもポイントの一つ。
また、ピークシフトを実現するための技術「全体冷却」「断熱効果向上」「気密性向上」により、夏だけでなく冬においても、加温時のヒーター消費電力が従来機と比べて2割少なくなる効果が得られた。
↑ ピークシフト自販機を伝える報道映像(公式)(映像配信は終了しておりますので当時のイメージでお楽しみください)
今「ピークシフト販売機」には最新型の標準デザインに採用している「3D VIS」をベースとし、イメージキャラクタにポーラーベアを採用。冷たい製品を想起させることに加え、環境に配慮した自販機であることをイメージさせている。
初年度展開数は2万5000台ということで、来年初頭からすぐに誰でも目に留めるというわけではないが、少しずつ展開していくことは間違いない。来年の夏は震災からすでに2年が過ぎている計算になることもあり、電力需給の問題が解決していることを願いたいが、その有無を問わず、消費電力の節約は多方面でプラスになる。利用者の便益を極力減らすことなく、今「ピークシフト販売機」のさらなる展開、そして技術の進歩を願いたいものだ。
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