厚生労働省、ノロウイルスによる食中毒や感染への注意喚起
2012/11/28 17:00
厚生労働省は2012年11月27日、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の患者が急増しており、同時期としては2006年に次いで過去10年間で第2位の水準にまで達しているとし、警告・周知を行った。また、注意喚起をより確実なものとするため、リーフレットを作成、公開した(【発表リリース】)。
↑ 疾病毎定点当り報告数(過去10年間との比較)(感染性胃腸炎、29週以降抜粋。最多発生年数2006年分については、41週以降のポイントを赤星マークで着色)。最多発生年の2006年よりは、現時点で第3位の2004年のパターンに近いことが分かる
↑ 過去10年間の発生状況。死者はゼロ
「ノロウイルス」とは1968年に初めて認識されたウィルスで、その後の研究によってウイルスの中でも小さく、球形をしているという特徴が確認できた。さらに2002年8月には国際ウイルス学会で正式に現在の「ノロウイルス」と命名されることになる。多くの遺伝子の型があること、また、培養した細胞及び実験動物でウイルスを増やすことができないことから、ウイルスを分離して特定する事が困難なのが特徴。特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものとしている。
症状としては
●潜伏期間……感染から24-48時間
●おもな症状……吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱が1-2日続く。感染しても症状のない場合や、軽い風邪のような症状のこともある。また乳幼児や.高齢は、おう吐物を吸い込むことによる肺炎や窒息にも要注意。
●おもな症状……吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱が1-2日続く。感染しても症状のない場合や、軽い風邪のような症状のこともある。また乳幼児や.高齢は、おう吐物を吸い込むことによる肺炎や窒息にも要注意。
などが挙げられる。
厚生労働省では昨今の患者数(感染性胃腸炎の患者だが、多分にノロウイルスを起因とする)の増加を受け、各自治体に対し、改めてノロウイルスによる食中毒の発生予防に関する周知・指導を行うよう指示している。
↑ ノロウイルスに関するリーフレット(一部)
同じく厚生労働省の【ノロウイルスに関するQ&A】などによると、予防方法としては「調理する人の健康管理」「作業前などの手洗い」「調理器具の消毒」などが挙げられる。また発症した場合、効果のある抗ウイルス剤が存在しないため、いわゆる対症療法(安静にして体力を維持回復し、人間が本来持つ対抗力・免疫力による回復を待つ)がおこなわれる。そのため水分と栄養の十分な補給が求められる。
感染が疑われた場合には、すぐに最寄りの保健所やかかりつけの医師に連絡を入れ、相談するようにとも注意がなされている。
くれぐれも衛生面に注意すると共に、万一それらしい症状が確認された場合、無理をせずすぐに関連機関に連絡を入れるようにしよう。
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