自作PC情報誌「DOS/V POWER REPORT」の電子版発行開始・紙版購入者は無料で利用可能
2013/03/29 06:55


↑ DOS/V POWER REPORT 2013年5月号
「DOS/V POWER REPORT」は1991年に刊行されたPC自作ユーザー向け月刊誌で毎月29日の発売。PCパーツのレビューや性能比較、使いこなし方法の解説、トラブルシューティングなどを中心に、独自の視点で最新のPC自作シーンを深く掘り下げている。また自作PCにまつわる漫画「わがままDIY」(ざら先生・著)も連載中。
同誌では2013年3月29日発売の同年5月号から電子版も「併せて」発行される。これはスマートフォンやタブレットの普及と電子書籍市場の拡大に加え、先行して電子化した本誌関連ムックの販売が堅調で、読者から同誌の電子化を望む声も寄せられたため、その需要に応えるためのアクション。電子版の登場により、今後はタブレット、スマートフォン、PCと読者側の利用シーンに合わせてさまざまな端末での購読が可能になる。自宅、電車の中、外出先と場所を選ばず必要に応じて自作パソコンの情報を得ることができ、バックナンバー保存場所の問題からも解放される。
ポイントはその販売スタイル。電子版のみの購入の場合、販売価格は1冊分で900円(税込)(2013年5月号のみ450円・税込)。一方で通常の紙版となる「DOS/V POWER REPORT」はこれまで通りの定価1080円(税込)だが、読者限定の無料電子版ダウンロード権がついてくる。ただし利用には無料の読者会員システム「CLUB Impress」への登録が必要。また、単体販売される電子版は利用者の環境で内容をプリントアウトできるが、紙版の読者向け・無料電子版ではプリントアウトが出来ない仕組みとなっている。

↑ DOS/V POWER REPORT 2013年5月号は立ち読み用の電子版(PDF)も用意されている。「CLUB Impress」への登録も要らないが、紙媒体購入者向けと同じくプリントアウトはできない
つまり既存の紙媒体の読者には無料で追加サービスとして電子版の使い心地・機動力の高さを提供するものの、すでに紙媒体版を所有していることから「プリントアウトの必要は無い」とのことで出力をできないようにしている。一方、電子版のみの購入者の場合は、紙への出力が必要な場面も想定し、プリントアウトが可能なバージョンを提供する仕組み。既存の紙媒体の読者にも配慮し、電子版のみの読者も納得がいく(電子版の900円という価格は、紙媒体版1080円よりも180円安い)、合理的でスマートな仕組みといえる。この仕組みは「できるポケット+」シリーズなどインプレスジャパンの一部の冊子で行われている。
既存の紙媒体版の読者に無料で電子版を提供する仕組みは、海外の出版物ではよく用いられている。日本でも今件のように、積極的に取り入れてほしいものである。
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