すき家と松屋、主力商品の牛丼・牛めしを期間限定で30円値下げへ
2013/04/03 06:55
松屋フーズ(9887)が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」は2013年4月2日、同社が1000店舗の展開を果たしたことを記念し、同年4月8日午前10時から4月15日15時までの間、主力メニューの「牛めし」を各サイズとも通常価格から30円引きで発売すると発表した。また同日、ゼンショー(7550)が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」も全店で「春の感謝祭」を開催するとし、同年4月5日午前9時から4月12日午前8時まで、「牛丼」を各サイズ共に30円引きで発売すると発表している(松屋発表リリースすき家発表リリース)。
↑ 今件値下げを伝えるニュース(公式)。公開は終了しておりますのでイメージカットのみ。
松屋では2013年4月時点で店舗数(同社が展開しているとんかつ業態の「松乃家」などは除く)が1000店舗を突破。これを記念する形で、期間限定(4月8日午前10時から4月15日15時まで)ながら「牛めし」や「旨辛ネギたま牛めし」「おろしポン酢牛めし」について一律30円引きのセールスを展開する。
●牛めし
(ミニ盛)230円→200円 (並) 280円→250円
(大盛)380円→350円 (特盛)480円→450円
●旨辛ネギたま牛めし
(ミニ盛)330円→300円 (並) 380円→350円
(大盛)480円→450円 (特盛)580円→550円
●おろしポン酢牛めし
(ミニ盛)330円→300円 (並) 380円→350円
(大盛)480円→450円 (特盛)580円→550円
またすき家は「日頃のご愛顧に感謝」とし、「春の感謝祭」という形で、同じく主力商品の「牛丼」を期間限定(4月5日午前9時から4月12日午前8時)で30円値引きする。
●牛丼
ミニ 230円 →200円
並盛 280円 →250円
中盛 380円 →350円
大盛 380円 →350円
特盛 480円 →450円
メガ 610円 →580円
ミニ 230円 →200円
並盛 280円 →250円
中盛 380円 →350円
大盛 380円 →350円
特盛 480円 →450円
メガ 610円 →580円
なお現時点で吉野家では値下げに関する動きは確認できない。
●値下げ理由は……!?
今回の期間限定値下げの理由については、両社ともそれぞれ「1000店舗達成」「日頃のご愛顧に感謝」と説明している。それらも一理あるが、過去において同様の値下げが行われた際の本質的な理由を思い返せば、多分に来場客数の底上げ効果を期待したものと考えられる。毎月定点観測的に記事化している、牛丼御三家(吉野家、松屋、すき家)の業務状況(現時点で最新は【牛丼御三家の2013年2月分営業成績をグラフ化してみる】)で解説している通り、去年の後期以降御三家では来場客数の減少が続いており、これが売り上げを押し下げる形となっている。
↑ 牛丼御三家2013年2月営業成績(再録)
↑ 牛丼御三家客数推移(前年同月比)(2009年1月-2013年2月)
客数の減少理由には多種多様な原因が考えられる。定点観測記事でも分析している通り、数年来の期間限定値引き競争の連発によるブランド力の低下や「値引き価格が当たり前」との客層側の認識の変化、震災以降の消費者の消費性向の変化、さらには他業種にシェアを奪われている可能性(主にコンビニや麺類店舗)など、想定できる要因は多数存在する。
今回の2社による主力商品の期間限定値下げは、年度替わりというタイミングもあり(就職や転勤、入学などで行動エリアが変わる人が増えるため、新規顧客を獲得し、さらには常連化させるチャンスが増える)、客入りの面で「喝」を入れる意味合いも含まれている。ただし当然ながら、そして過去の事例にもある通り、値引きによって客数は増えるものの、その分客単価は押し下げられる。また値引きのみを目的に来場したお客が店舗の常連として根付くことは難しい。両社による今回の決断がいかなる成果をもたらすのか、注意深く見守りたいところだ。
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