吉野家、福島県で農業生産法人「吉野家ファーム福島」を創設して食材自主生産へ
2013/10/02 09:45
牛丼チェーン店の吉野家は2013年10月1日、福島県、同県白河市の協力のもと、同県同市に農業生産法人「株式会社吉野家ファーム福島」を設立したと発表した。2014年4月には野菜加工センターを稼働させ、吉野家ホールディングスで用いる玉ねぎなどを今工場で加工する。さらに各種農産物を生産し、安定的な農産物の確保の実現を図っていく(発表リリース(PDF):農業生産法人「吉野家ファーム福島」を設立)。
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2009年6月に改正された農地制度により、農業生産法人以外も農業への参入が可能になったことを受け、コンビニや外食産業が相次ぎ独自の農業生産法人を立ち上げ、独自ルートによる農作物の確保を進めている。吉野家でも2009年9月に「吉野家ファーム神奈川」を設立し、同地で玉ねぎや白菜などの栽培を進めると共に、各種農業のノウハウを取得している(【横浜市:地元若手農業者が企業と手を組んで、農業生産法人を設立】、【吉野家:吉野家ファーム神奈川の取り組み】)。
今回設立された吉野家ファーム福島は、首都圏に近く交通網も発達し、気候条件にも優れているものの、農業の担い手不足から耕作放棄地が全国最大となるなどの課題を抱えている福島にスポットライトをあて、地域の協力農家と共に設立されたもの。耕作放棄地も最大限活用し、さらに吉野家ファームで培った各種農業ノウハウを活かし、安定的な農作物の確保を実現していくことになる。
具体的な事業計画は来年2月に発表予定だが、現時点では上記にある通り2014年4月に野菜加工センターを稼働、設立時には4.3ヘクタールの農地面積を2017年度中までには13ヘクタールまでに拡大予定。栽培品目としては玉ねぎや白菜、キャベツ、青ネギ、そしてこれまで実験的に取り組んできたお米の生産にも着手する。
同ファームでの農産物の安全確認については、福島県で生産・出荷される農産物における「県による緊急時環境放射線モニタリングや米の全量全袋検査及び出荷団体などによる自主検査」による安全性の確保に加え、各種野菜やお米の自主検査などについても検討中。検査結果の公表方法なども合わせ、2014年4月の野菜加工センターの稼働時に再度発表する予定。
なお野菜加工センターなどの工場では地域雇用を行い、復興支援にもつなげていくとコメントしている。
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