【更新】PC-9801も認定! 日本の偉大なコンピュータ遺産の認定制度発足

2009/02/24 07:30


PC-9801イメージ社団法人情報処理学会は2009年2月23日、日本のコンピューター技術発達市場の重要な研究開発成果をはじめ、コンピューター関連の物品などの保全と活用を目的とし、「情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定制度」を開始したと発表した。そして第1回の認定分として、23件の情報処理技術遺産・2件の分散コンピュータ博物館を認定、資料や施設の所有者を招き、認定式を行うことになったこともあわせて明らかにした([発表リリース])。



今回認定制度がスタートした「情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定制度」とは、日本のコンピュータ技術発達史上の重要な研究開発成果や国民生活、経済、社会、文化などに顕著な影響を与えたコンピュータ技術や製品など、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ情報処理技術遺産の保存と活用を目的としている。コンピュータ技術は日々進歩しているが、その一方で過去の資料の実物は大半が喪失してしまっているのが現状。情報処理学会では将来的に「コンピュータ関係の貴重な史料をコンピュータに特化した実博物館などで保存」すべきと考えているが、現状では実現化がかなわない。

そこで、わずかに残っている貴重な史料の保存を図るとともに、日本のコンピュータ技術の発展を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことが急務と考え、その一助として始めたのが今回の制度。

第一回の認定リストとして挙げられた遺産・分散コンピュータ博物館は次の通り。

●情報処理技術遺産……23件
自働算盤:我が国初の機械式卓上計算機
川口式電気集計機及び亀の子型穿孔機:我が国初の統計集計機
タイガー計算器 No.59:初期の手回し式計算機
九元連立方程式求解機:アナログ式計算機械
ETL-Mark II:初期のリレー式大型計算機
FUJIC:我が国初の電子計算機
大阪大学真空管計算機:初期の真空管式電子計算機
パラメトロン素子:我が国で発明された演算素子
ETL Mark IVパッケージおよび磁気ドラム:我が国初のトランジスタ式実用計算機用の部品と記録装置
SENAC-1(NEAC-1102):大型パラメトロン計算機
FACOM128B:現在も動態展示されているリレー式コンピュータ
MARS-1:国鉄座席予約システム
MUSASINO-1B:パラメトロン計算機
OKITYPER-2000:多機能タイプライタ
NEAC-2203:全トランジスタ化計算機
HITAC 5020および関連部品:国産初の大型汎用コンピュータ
NEACシリーズ 2200モデル50:全IC化小型汎用コンピュータ
H-8564:初期の磁気ディスク駆動装置
HITAC 10:我が国初のミニコンピュータ
TOSBAC-3400:マイクロプログラム方式の科学技術用コンピュータ
OKITAC-4300Cシステム:ミニコンピュータシステム
JW-10:初の日本語ワードプロセッサ
PC-9801:ベストセラーのパーソナルコンピュータ

●分散コンピュータ博物館……2件
京都コンピュータ学院KCG資料館
東京農工大学情報工学科西村コンピュータコレクション

同学会の【コンピュータ博物館】には写真などの解説が用意されているものもあるが、いずれにしても日本のコンピュータ史上欠かせないものばかり(パーソナルコンピュータ部門では色々とツッコミを入れたい部分もあるが、これは今後認定されていくものと信じたい)。

今や現代社会の日常生活では欠かせない存在となったパソコンたち。その歴史を振り返る際にはこのような仕組み・制度は必要不可欠なものとなるだろう。また、今のうちから携帯電話についても同様な制度・保全も必要かと思われる。



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