【更新】ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」就役

2009/03/24 04:35


ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」イメージ海上自衛隊は2009年3月18日、ヘリコプター搭載・ひゅうが型護衛艦の第1番艦「ひゅうが」(16DDH)を建造元のアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドから同社横浜工場で受領したことを発表した。同艦は就役と同時に第1護衛隊群第1護衛隊に編入され、旗艦的役割を果たすことになる(【第1護衛隊群第1護衛隊ページ内「ひゅうが」項目】)。




動画は朝日新聞社が公開しているもの、画像は防衛省が公開しているもの。
動画は朝日新聞社が公開しているもの(【直接リンクはこちら】)、画像は防衛省が公開しているもの。

「ひゅうが」は平成16年(2004年)度予算で建造が進められていたヘリコプター搭載護衛艦(DDH)。同型艦が平成18年(2006年)度予算で建造されており、こちらは18DDHに該当する(艦名はまだ未決定)。

諸元は【平成15年度 事前の事業評価】中の「2:護衛艦(13500トン型DDH)」や上記の第1護衛隊群第1護衛隊のページに記載されているが、概要をまとめると次のようになる。

基準排水量(満載排水量)……13950t(18000t)
全長……197m
全幅……33.0m
喫水……7.0m
全深……22.0m
主機械……COGAG ガスタービン4基2軸
馬力……10万0000PS
速力……30kt
主要兵装……VLS(垂直ミサイル発射システム)16セル、3連装単魚雷発射管、ESSM(対空ミサイル)、哨戒ヘリコプター(SH-60K)×3、掃海・輸送ヘリコプター(MCH-101)×1、高性能20mm機関砲(ファランクスCIWS)×2など
射撃指揮装置……FCS-3改(対空レーダー機能含む)
定員……約360名
所有経費……約1164億円(予算設定時)
ひゅうが型DDH概要図
ひゅうが型DDH概要図

ひゅうが型の目標となる立ち位置は「高い情報・指揮通信能力とヘリコプター運用・整備能力等を有した護衛艦を整備することで、周辺海域の防衛能力及び海上交通の安全確保能力を維持向上させる効果が得られることに加え、大規模災害派遣等の多様な事態にも的確かつ柔軟に対応できるようにする」とあり、指揮能力とヘリコプターを有効に活用できる艦を装備することで、防衛能力を高めるだけでなく、災害時の救助活動にも有効に活用できる艦として位置づけている。

特にヘリコプター運用能力では、広い甲板や格納庫をフルに使うことで、同時に3機までの離発着が可能となり、効率のよいヘリコプターの運用が実行できる。また、中長期の救助活動を想定し、移住性の高さも特徴のひとつ。さらに装備として「砲」を持たず、ミサイルや機関砲、機銃を活用するなど、特に対空・対潜能力に優れた艦となっている。

ちなみに一部では「空母のような」という表現がひんぱんに使われているが、大きさ・外見としては確かに「空母(航空母艦)」のように見え、規模としてはイギリスの「インヴィンシブル級空母(Invincible)」に近いものがある(全長210メートル、全幅36メートル、排水量は16000トン/20500トン)。ただし元々固定翼の航空機を運用することは想定されておらず、さらにSTOVL(短距離離陸垂直着陸機。ハリアーシリーズやF-35B)機の運用も想定・計画されていないため、スキージャンプのような勾配を持つ甲板も、熱に耐えられる甲板も装備していないので、運用は不可能。ゆえに、世間一般に言われる「空母」としての定義「固定翼航空機の運用が可能な艦船」に基づけば、「ひゅうが型」を(「のような」という表現付きならともかく)空母と見なすのは誤認といえる。

なお艦名の「ひゅうが」は「日向」が元であり、同一名称艦としては太平洋戦争中に実在した伊勢型戦艦の第2番艦日向が存在する。この艦は大戦末期に船上構造の後部を取り払い甲板を設置し、航空戦艦として改装された経歴を持っている。同時に高い防空能力を備えていたこともあわせ、イメージ的に近いものがあるといえよう。

……ニュースとしては多少古いものとなったが、覚え書きもかねて、ということで:P



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