【更新】東証自身の上場、再び延期・2010年以降に

2009/03/26 07:10


株式イメージ東京証券取引所は2009年3月24日、東証が2009年末までを目標としてきた東証自身の株式上場について、2010年度以降に延期すると発表した。理由について東証側では「昨今の市況環境及び今後の利益計画等を総合的に勘案し」と説明している([発表リリース])。



同日行われた東京証券取引所の斉藤惇社長の記者会見の要旨が東証自身から発表されているが(【リリース、PDF】)、それによると2007年6月に取得したシンガポール取引所の株価低迷で減損処理を行い(約207億円を特別損失として計上)。これがもとで、東証は2008年度の業績において税引前利益ベースで70億円の赤字を見込んでいる。これは2001年に東証が株式会社化して以来初の事態となる。さらに来期2009年度も証券市場そのものの環境悪化で、営業利益が大幅に減益となる計画を立てざるを得ず、今回発表したように上場の延期という方針変換をせざるを得なくなったとのこと。

特に東証の主な利益の源となる売買代金の減少は著しく、2008年3月時に発表した計画では2010年度には一日の平均売買代金を3兆8000億円と目論んでいたものの、現実では1兆4000億円に低迷。2008年9月のいわゆる「リーマン・ショック」とそれ以降の市況不況、景気後退が大きな要因となっている。

東証自身の上場はこれまでに2度ほど延期されており、今回で3回目となる。【東証、上場にあわせて不正決算に制裁金制度導入の検討開始】【東証、上場に向けて買収防衛策の導入検討へ】などにもあるように、体制作りは(やや遅れがあったものの)着々と進めていた中で、今回は株価・証券市場低迷による延期となる。記者会見では上場そのものについては「キャンセルするのは考えられない。やらないというのではなくて、時期の問題です」とし、延期に過ぎないとした上で、「リーマン・ショック以降の株価下落が一番効いた」「上場後1期目の決算が低調で株価が下がるようなことはやりたくない」とも説明している。



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