花粉症にも効果あり・亀田製菓が乳酸菌「K-2」の抗アレルギー効果を確認
2009/03/28 09:55
【亀田製菓(2220)】は2009年3月24日、同社が新潟大学農学部の原崇准教授と共同で研究を進めている植物性乳酸菌「K-2」(ラクトバチルス パラカゼイK-2)において、抗アレルギー効果かあることを動物・ヒトに対する試験によって確認したことを発表した。今後研究成果を学会などで発表すると共に、関連商品の開発を進めていく(【発表リリース、PDF】)。
植物性乳酸菌「K-2」の電子顕微鏡写真
「K-2」は酒粕より分離された植物性乳酸菌で、亀田製菓が保有している菌の一つ。ほとんど無味・無臭で淡黄色の微細粉末の殺菌乳酸菌で、乳酸菌補助食品(錠剤、顆粒)や食品全般(飲料、菓子など)に幅広く使用できる。さらに「K-2」は、1グラムの中に約1兆個と大量に含まれており、 少量を食物に添加するだけで、大量に乳酸菌を摂取できるなど、多様な製品設計が可能となるという。
実験ではヒトアトピー様症状を引き起こす試験用マウスに「K-2」を適量摂取させたところ、そうでないマウスと比べて皮膚症状の改善が見られた。そこで軽度-中等度のアトピー症状を持つボランティアの人13人に「K-2」を100mg摂取、12週間毎日摂取してもらったところ、統計的に有意な皮膚症状の改善が見られたという。
アトピー性皮膚炎に対する効果(対ヒト試験)。医師が顔、胸、背中、腕、足を診察し、3:重症2:中等症1:軽症0:なし。の4段階に評価。*=統計的有意差有り*:p<0.05
さらに軽度から中等度の花粉症症状を示すボランティア13人に、花粉症の時期である2-4月に「K-2」を毎日摂取してもらい、摂取しないボランティア13人と「鼻と目の症状・薬の使用量」についてのアンケート調査を実施。すると、花粉の飛散に伴い鼻・目の症状悪化が見られたものの、「K-2」の摂取で症状の悪化が抑えられる結果が出た。
目と薬のスコア
亀田製菓側ではこの「K-2」について、2009年から素材としての販売を開始すると共に、商品などのへの展開を検討しているという。同社では2000年から植物性乳酸菌の研究を進めており、すでに植物性乳酸菌「K-1」の研究を行い、それを活かした商品(ヨーグルト、発芽玄米など)を販売している。恐らくは似たように、アレルギーや花粉症にメリットがあるとの触れ込みで、同じような食品を開発していくのだろう。
実際にアトピー性皮膚炎や花粉症で悩んでいる人たちにとって、福音となるような商品の展開が行われることを期待したいものだ。
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