求む、ミツバチ減少の謎を解くカギ! 農水省が研究者募集
2009/05/15 04:30
農林水産省は2009年5月13日、果実栽培の受粉やハチミツ採取用に使われるミツバチが急減し、原因が特定されていない問題について、この問題の解明に挑む研究者グループの募集を開始した。募集締め切りは5月26日。今年度中に調査研究を終え、一定の成果を上げることが求められている。また、研究費については1000万円を上限に農水省側が負担することになっている(【発表リリース】)。
ミツバチの大量死・減少については2005年ごろから散発的な問題として話題になっていたが、昨年にいたり大量死が頻発。オーストラリアからの女王蜂の輸入停止も重なり、生産現場ではハウス栽培や果樹栽培へのミツバチ不足が顕著化している。農水省でも専用の情報ページ【花粉交配用ミツバチの不足問題について】を設置して各種情報を提供しているが、【最新の調査結果(PDF)】によると前年比でミツバチ全体としては4.2%、そのうち花粉交配用としては13.9%もの減少が確認されている。
ミツバチそのものの減少の原因については国内では寄生ダニの影響が指摘されているが、科学的には不明な点も多く、有効な対策が打てない状態にある。そこで今回募集する研究グループに「受粉用・採蜜用みつばちにおける群の消長の実態の把握」「みつばちの健康状態に関する要因の解析」をしてもらい、ミツバチの管理技術の改善や被害の対策の早期確立を推し進めることになった。
ミツバチの急激な減少を「群崩壊症候群(Colony Collaps Disorder,CCD )」と呼んでいるが、この現象は世界規模で起きているという。原因としては日本同様に寄生ダニ(ヴァロラダニ)が有力紙され、このダニが元によるウィルス性病気の発生が主要因らしい(【swissinfo】)。
兆候が数年前から見られていたことに対し、具体的な被害が顕著なものとなってから動きはじめたこと、1年間(未満)・1000万円という限られた予算補助・時間で解消策が見出せるのかには疑問がある。しかし少なくとも「憂慮すべき問題」という認識がなされたことには評価を示したい。
さらに同時に「効果的な解決策とその具体的手法、手法の効力の実証」まで成したグループに数倍の懸賞金を提示すれば、もっと多くの注目が向けられ多数の研究が立ち上がるだろう。仮に10倍の1億の懸賞金をかけても、その技術が世界のミツバチ関係者(農家など)に提供され貢献することを考えれば、決して高いものではないはずだ。
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