【更新】三菱自動車、電気自動車「i-MiEV」を2010年4月から個人向け販売開始・460万円から
2009/06/06 10:40
【三菱自動車(7211)】は2009年6月5日、量産型の新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を公開すると共に、2009年7月からは法人・自治体向けのリース、2010年4月からは個人向けに本格的な一般販売を開始すると発表した。価格は税込み459万9000円(【発表リリース】)。
i(-)MiEVのテスト走行のようす(デンマークにて)(動画はすでに削除されています)
「i-MiEV(アイ・ミーブMitsubishi innovative Electric Vehicle)」は三菱自動車が開発を進めてきた電気自動車。三菱自動車の軽自動車「i(アイ)」にリチウムイオン電池と永久磁石式同期モーターを搭載。家庭用交流電源(100・200ボルト)と急速充電器向けの3相200ボルトでの充電が可能。最高時速は130キロで、1回の充電では160キロの走行が可能。なお電気代は一部報道では、1回の充電につき数百円だという。
i-MiEVの利用スタイル例
今回一般販売するにあたり、【寒冷地での電池性能をチェック・三菱自動車の電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」北海道で試験走行開始】や【三菱自動車(7211)、電気自動車「i MiEV」の電力会社との共同研究を開始】にもあるように実証実験時に用いていた名称「i MiEV」にハイフンを付け、「i-MiEV」に変更した。
主な特徴としては
・走行中の二酸化炭素排出量がゼロ(ゼロエミッション車)
・100%電気で走る
・静かでレスポンスの良い、力強い走り
・日常の自動車利用には十分耐えられる走行距離
・3方式の充電システムを採用
(満充電までAC100Vで14時間、200Vで7時間、急速充電器で30分・80%)
・100%電気で走る
・静かでレスポンスの良い、力強い走り
・日常の自動車利用には十分耐えられる走行距離
・3方式の充電システムを採用
(満充電までAC100Vで14時間、200Vで7時間、急速充電器で30分・80%)
などを挙げている。家庭用の電源でも夜に帰宅してから充電をはじめ、朝には満充電が完了、という利用スタイルも可能だ。
なお電気自動車はエアコンの利用によっても電気を食うため、エアコンの使用はそのまま走行距離を短くする行為となる。エアコンの使用がどこまで影響を与えるかリリースには記載されていないが、[一部報道]によると夏場で2割ほど、冬場では3割ほど走行距離が短くなるという。
【ハイブリッドカーの購入や利用を後押し・国土交通省が「エコカー減税」の概要を発表】でも概要を説明しているが、現在エコカーの利用促進のため、該当する車両には時限立法ではあるが各種減税措置(「エコカー減税」(環境性能に優れた自動車に対する自動車重量税・自動車取得税の特例措置))が適用される。また、「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」の対象車両でもあり、一般社団法人次世代自動車振興センターに申請すれば139万円を上限として補助金が交付される予定。各種補助金・税金の免除を計算すると、約300万円強の取得価格となる。
導入してからのランニングコストもあわせて考えると、単価が300万円の軽自動車を高いとみるか安いとみるかは微妙なところ。価格を形成する少なからずの部分がリチウムイオン電池という話もあり、今後三菱自動車側では「リチウムイオン電池の搭載量を減らして航続距離が短いものの、価格も安くなるバージョンの展開も検討していく」(【レスポンス】)と説明しているとのこと。
今後i-MiEVだけでなく電気自動車全体の問題として、充電インフラの整備と共に、搭載電池の価格・充電量という「電池問題」が大きな解決課題になる。画期的な技術でこの問題を解決できれば、電気自動車の浸透は一挙に推し進められるし、開発元は自動車産業におけるデファクトスタンダード的な立ち位置を確保できるだろう。そのためにもまずは、既存の技術で開発された電気自動車の(ある程度の)普及と認知が欠かせない。i-MiEVの展開を注意深く見守りたいところだ。
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