DS使って授業をサポート・任天堂が授業支援システム「ニンテンドーDS教室」を開発
2009/06/10 07:54
[任天堂(7974)]は2009年6月9日、携帯用ゲーム機のニンテンドーDS(DS、DS Lite、DSi)を活用した小・中・高等学校向けの授業支援システム「ニンテンドーDS教室」を新たに開発し、【シャープ(6753)】子会社のシャープシステムプロダクトが販売すると発表した。DSを使って学校内授業をインタラクティブに進められる仕組みそのものを提供していく(【発表リリース】)。
「ニンテンドーDS教室」の基本システムと概念
任天堂は、ニンテンドーDSを単なるゲーム機としてだけではなく、DSという機器がもつ潜在的な可能性を追求。その中で、ニンテンドーDSと市販教育系ソフトによる教育機関での効果をみる実験がされるなど、教育分野でのニンテンドーDSの可能性が注目されている((【「成績向上」成果アリ・大阪電通大でDSを英語などの授業にて全員に貸与決定】や【DSを勉強の手助けに! 「DStudy」に効果アリ】など)。そこで、ゲーム作りの基本となっている「使いやすさのノウハウ」を活用し、より使い勝手のよいシステムとして『ニンテンドーDS教室』を開発・提供するに至った。
一方でシャープシステムプロダクトは、小中学校での教育システムの構築に実績を有していた。そこで任天堂が開発したシステムを活用し、教材コンテンツの作成と、システムの販売・設置・サポートを担当することになった。
今回展開する『ニンテンドーDS教室』は、従来の独立した(教師用単独、生徒用単独という意味での)教育用パッケージソフトとは異なり、教師用パソコンと生徒用のニンテンドーDSを無線LAN(Wi-Fi)で接続し、教師と生徒がインタラクティブに授業をすすめることができる。例えば、教師が与えた問題に対して、生徒から順次返ってくる解答を一覧で確認できるなど、学習の進捗状況を把握することが可能となる。
先生が提示した質問に対し、各生徒がどのような回答を示したのかを一覧で確認することができる。
また、シャープシステムプロダクトがあらかじめ提供するコンテンツだけでなく、教師が簡単な操作で独自コンテンツを作成し、活用する事も可能。
教師が自分のオリジナルコンテンツを表計算ソフトを使って簡単に作成
ニンテンドーDSはタッチパネル式のインターフェイス、無線LAN形式の通信機能などを持ち、単なる携帯ゲーム機としてだけではなく、総合情報通信端末としての可能性を秘めていた。実際にこれまでにも【任天堂のDSライトを美術館案内端末として利用する件、東京渋谷の「スーパーエッシャー展」と判明】や【任天堂とオリエンタルランド、DSでガイドを受けられる「イクスピアリ・ニンテンドーDSガイド」を展開】などのように、案内端末としての導入例が多数見られる。
今回の「教育支援システムの中核端末」もまた、「携帯用ゲーム機」としてではなく、「総合情報通信端末」のDSでどんなことが出来るのかを示した一例に過ぎない。どこまで教育現場に受け入れられ、活用されるのかが気になるところだ。
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