WHO、今週末にも「パンデミック」・フェーズ6への移行宣言か
2009/06/11 07:25
【USA TODAY】など複数の報道機関が伝えるところによれば、WHO(世界保健機構)の複数の関係者は2009年6月9日、新型インフルエンザ(インフルエンザA(H1N1))の警戒水準(フェーズ)を現行のフェーズ5(かなりの数のヒト-ヒト感染があることの証拠がある)からフェーズ6(パンデミック期・効率よく持続したヒト-ヒト感染が確立)に近く引き上げる方向で最終調整に入ったことを明らかにした。
WHOの新型インフルエンザウィルスに対する警戒レベル一覧。数字は当方で書き換えたもの
新型インフルエンザが生まれるまでのプロセス。【BBC NEWS】で配信されていたものを再構築したもの(再録)。
最新のWHOの報告(【Influenza A(H1N1) - update 45】)によると、確認された感染者は累計で2万5288人、新型インフルエンザを起因として亡くなった方は139人にも及ぶ。
WHO発表の2009年6月8日現在における確認済み感染者数
WHOのフクダ事務局長補代理は新型インフルエンザの進行状況について、パンデミック期への突入が「極めて間近な状況下にある(We are really getting very close to that.)」とコメントし、WHO内の認識を説明。また、以前からお伝えしているように状況的にはすでに「フェーズ6」に移行してもおかしくない状況(複数国で持続的に患者が多数発生している)ではあるものの、観光などへの影響を懸念して一部の国から反対を受け、宣言が留められているとの話もあった。しかし患者数が(累計であり、その大部分はすでに治っている・回復に向かっているが)2万5000人を超え、亡くなった人も3桁に達しており、何か国かの観光への懸念云々という状況ではなくなったようだ(特にオーストラリアやアメリカでの感染者数の増加が目立つ)。
一部報道(【ABC News】)によればWHOのチャン事務局長は現状認識としてはすでにフェーズ6である(「on the surface of it, I think we are in phase 6」)という見解を示すとともに、加盟国らと電話会議を開いて感染流行状況について説明を直に受け、週末にも「フェーズ6」への引き上げ宣言に備え、各部署に対して態勢を整えるよう指示を下しているとのこと。
フェーズ6への移行はあくまでも「感染の広まり」の状況変化を示すのであり、個々の感染時した場合の各種リスクそのものとはまた別であることに留意するように。過度な反応はくれぐれもひかえると共に、公的機関の発表に耳を傾けて対処するようにしてほしい。
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