ローソン、「驚きの商品開発プロジェクト」でお弁当ニーズの二極化に対応へ
2009/07/21 04:35
[ローソン(2651)]は2009年7月14日、食品分野において「驚きの商品開発プロジェクト」を稼働し、弁当・おにぎり・パスタ・デザートの4分野で展開していくことを発表した。顧客側の「たまには良いもの」のニーズに応える商品を開発するためのもので、そこそこの価格帯で質の高い食品を提供することを目的としている。ローソン側ではすでに同社が進めている廉価食品シリーズ「バリューライン」との二本立てで、「消費の二極化」に対応すると説明している(【発表リリース】)。
「驚きの商品開発プロジェクト」第1弾商品「スタミナ牛焼肉弁当」
【コロッケもきんぴらごぼうも105円・こだわり惣菜8品登場】や【ローソン100の「バリューライン惣菜」(ミニチキンカツ弁当などの弁当やカニクリームコロッケなどの惣菜)】などでも解説しているように、ローソンではすでにローソンSTORE100などで、お手軽な値段で手に入る廉価版お弁当や総菜ことプライベートブランドの「バリューライン」シリーズの食品を展開している。
今回始動したプロジェクトは、お客側の「”たまには”よいものを」との要望に応えるため、言い換えれば「いつもは『バリューライン総菜』でそこそこのもの、そして時々は『驚きの商品開発プロジェクト』の食品でよいものを」といった消費の二極化に対応し、お客のニーズを広範囲でカバーするために設けられたもの。
『驚きの商品開発プロジェクト』の基本コンセプトは「驚き」。「価値の3割アップを目指す」を合言葉に、「仕入れと商品開発が一体となって開発を進め、高価値商品を手ごろな価格で創造する」「新機械の導入で工場の生産性向上を図るなどし、その意義がお客にも伝わるような商品を展開し、『驚き』を共有する」などを目標に掲げている。
今回第一弾として発売される「スタミナ牛焼肉弁当」も、すき焼きやしゃぶしゃぶの部位として使われる「肩ロース肉」を使用し、たれにもフルーツ果実や海鮮の旨みを込めるなどこだわりの逸品となっている。これで380グラム・682キロカロリー・450円(税込)と、500円でお釣りが出る価格。一部報道では700円程度の価値すらあるとのこと。
ローソン側では今後、弁当・おにぎり・パスタ・デザートで展開する「驚きの商品開発プロジェクト」商品とともに、既存の105円(税込)などの「バリューライン総菜」シリーズとの組み合わせメニューを提案していく。元々コンビニではここ数年、主力商品であったはずのお弁当の分野が頭打ち・低迷傾向にあるため、体制の立て直しと挽回の意味も込められているのだろう。
コンビニと、お弁当をはじめとする日配食品(日々差し替えられる食品系の商品)においては、昨今最大手のコンビニで廃棄や責任分担に関するもめごとが起きている。それほどまでにお弁当は、コンビニにとって生命線足りうる重要な商品に他ならない。
タスポ効果も一巡し、数字の上ではさらなる成長が見込めにくくなった現状において、ローソンでは問題点の多い「お弁当」をむしろチャンスととらえ、攻勢をかけているように見える。100円ショップの「ローソン100」を傘下に収め、「バリューライン総菜」シリーズでそれこそ毎週のように新商品の展開をしているあたり、その本気度がうかがいしれよう。
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