【更新】新型インフルエンザ再び流行水準へ

2009/08/19 06:41


新型インフルエンザイメージ国立感染研究所感染症情報センターは2009年8月18日、インフルエンザ流行マップのデータを同年8月12日現在のものに更新、定点医療機関からの報告数を元にした推定患者数が同年8月3日から9日までの第32週1週間で約6万人となったことを発表した。流行指数は0.99に達し、全国的な流行指標1.00にほぼ達している。また、報告事例のうちウイルスの形式では79.0%ほどが新型に該当、患者の割合を明確に表したものではないが、コメント中では「特に患者報告数が増加し始めた第28週以降では、発生患者の殆どが新型インフルエンザに罹患しているものと推定される」と伝えている。これを受けて舛添要一厚生労働大臣は19日午前にも記者会見を開き、注意喚起を行う予定([発表ページ])。



2009年8月3日から9日までの第32週における報告状況
2009年8月3日から9日までの第32週における報告状況

【WHO、新型インフルエンザを「インフルエンザA(H1N1)(influenza A(H1N1))」と呼称】【新型インフルエンザ(インフルエンザA(H1N1))の感染者数推移をアニメGIF化してみる】にもあるように、WHOでは昨今の新型インフルエンザをインフルエンザA(H1N1)と命名し、事実上のパンデミック(世界的大流行)を意味するフェーズ6を宣言している。海外では特にアメリカ・ヨーロッパ、そして季節が反転している南半球のオーストラリアで、感染患者の増大が相次いで伝えられていた。幸いにもタミフルなどの現行インフルエンザ向けの「対抗薬」(治療薬ではない)が有効なことや今新型インフルエンザそのものが弱毒性であることも合わせ、ワクチンの大規模配布に至らない現在でも、通常のインフルエンザと同じ対応、すなわち「うがい、手洗いをしっかりと行う」「体力をつける」「人混みは極力避ける(あるいはマスク着用)」ことで基本的な対策は可能。

日本では夏季に入り、報道などは沈静化していたものの、状況が改善されていたわけではなく、【なぜ真夏から!? 東京都のインフルエンザ報告数に特異な傾向】にもあるようにこの数週間で報告数がじわじわと増加。追確認で「新型インフルエンザもインフルエンザ全体の報告数にカウントされる」ことから、新型インフルエンザの患者数の増加によるものが懸念されていたが、今回の国立感染研究所感染症情報センターのコメントで、それが裏付けられた形となる(なお2009年7月24日付厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部事務局通知により、社会福祉施設などにおいて入所者・利用者・職員などで、インフルエンザのような症状を有する患者の10人以上の集団発生を把握した場合や、入院患者や人工呼吸器を使用した場合は公表が行われるが、逆に集団発生でない場合は「新型インフルエンザ」の発生事例として区分した報告は行われない)。

発表によればすでに沖縄県が警報レベル超えの保健所所1か所、沖縄県2・長野県1・大阪府1か所の保健所が注意報レベルを超えている。また、指数が1.00(流行認定)を超えている保健所は34都府県・139保健所地域に相当するとのこと。

繰り返しになるが、今回の新型インフルエンザは通常のインフルエンザと同じ対応、すなわち「うがい、手洗いをしっかりと行う」「体力をつける」「人混みは極力避ける(マスクの着用)」ことで基本的な対策は可能。そして通常の季節性インフルエンザ同様に、体力の少ない妊婦や乳幼児、糖尿病などの持病を抱える人は重症化する恐れがある。必要以上に慌てず騒がず日常生活を維持しつつ、適切な対策をとるよう心掛けてほしい。また、自分自身に体調の不調を覚えたら、病院に連絡を入れ予約をした上で、マスクをして(周囲に感染させることのないようにした上で)診察を受けるように。



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