公立学校のパソコンは生徒7.2人で1台……文部科学省発表

2009/09/02 07:49


学校でのパソコンイメージ文部科学省は2009年8月28日、全国公立学校におけるICT(情報・通信に関連する技術、Information and Communication Technology)化の実態調査結果の速報値を発表した。それによると、2009年3月1日時点で学校内における児童向け教育用コンピュータの配備状況は1台あたり7.2人となり、昨年度の7.0人から0.2ポイント後退した。これについて文部科学省では「耐用年数を超過しているコンピュータを廃棄処分した市町村が多かったことなど」と説明している(【発表リリース】)。



今調査は2009年3月1日時点における、全国の全公立学校(小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校)を対象にしたもの。2006年1月に政府が策定した「IT新改革戦略」においては2011年度までに、例えばコンピュータ1台当たりの児童生徒数は3.6人、普通教室における校内LAN整備率はおおむね100%などを目標にしている。

主な項目における達成状況を前年度と比べたグラフは次の通り。

学校におけるICT環境の整備状況
公立学校におけるICT環境の整備状況

「学校内における児童向け教育用コンピュータの配備状況」の項目は、元データは「1台あたり何人」だったが、これを逆算して「1人あたりのコンピュータ台数」とし、「数が大きいほど好ましい状況」であるような値とした。また、それ以外の3項目はおおむね100%が2011年度までの達成目標である。

進捗率に多少のぶれがあるものの、「学校内における児童向け教育用コンピュータの配備状況」以外は順調に推移している。一方、児童向けのパソコン台数が減っているのは、冒頭で説明されているように、「耐用年数を超過しているパソコンを廃棄処分したため」。

もったいない、と思う人もいるかもしれないが、事務用に特定のソフトを動かすためのパソコンならともかく、「先端技術を学ばせて将来への知恵と情報を身につけさせる」ための道具してのパソコンは、できるだけ新しいものが望ましい。耐用年度を過ぎてしまえば、現行技術に追いつけず(ソフトが動かない、セキュリティが対応しない、欲しい情報が得られないなど)、十分な教育環境を提供することはできない。たとえるなら、「ゲームボーイアドバンスでニンテンドーDSのソフトは動かない」ようなものだ。

今後の技術維持・進歩発展を背負うことになる子供たちのICT技術を底支えし、情報格差の是正効果も望める公立学校でのICT教育の提供環境の整備は、重要課題の一つ。大人たちの思惑に振り回されることなく、良い環境を提供してほしいものだ。



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