【更新】大日本印刷が有機EL・無機EL・パネルスピーカーを搭載した「光る・しゃべるポスター」を開発

2009/09/05 10:08


「光る・しゃべるポスター」イメージ【大日本印刷(7912)】は2009年9月4日、「文字情報を表示する有機ELパネル」と、「絵柄をアニメーション表示する無機ELパネル」をポスターと一体化させ、さらに「パネルスピーカー」を搭載してポスター全体から音声を出す機能を付加した“光る・しゃべるポスター”を開発したと発表した。このポスターの実証実験は2009年9月4日から12月まで、仙台市内で【ベガルタ仙台】の宣伝ポスターとして展開される([発表リリース]、【ベガルタ仙台側リリース】)。




“光る・しゃべるポスター”で絵柄をアニメーション表示する様子(上)と実際に貼られている様子(下)
“光る・しゃべるポスター”で絵柄をアニメーション表示する様子(上)と実際に貼られている様子(下)

大日本印刷側では薄く、視野角が広く、省電力というELの特徴を活かし、有機ELと無機ELを一体化した“光るポスター”を2009年4月に、ポスターの全面がスピーカーとなって高品質な音声を出す“しゃべるポスター”を6月に、それぞれ開発。その後、7月には有機ELパネルを印刷方式で製造する技術を新たに開発している。そこで、これらの開発成果を組み合わせ、今回の「2種のELパネルで情報を表示するとともに音声を出す“光る・しゃべるポスター”」を開発した。

現在実証実験が行われている“光る・しゃべるポスター”は、プロサッカーチーム「ベガルタ仙台」のエンブレムを表示するというもの。背景の放射状の絵柄やエンブレムの内部が、無機ELのセグメント方式の発光によってランダムに点灯してアニメーション効果を表現するとともに、ポスター左上部の有機ELパネルに、試合日程やお知らせなどの文字情報を表示する。文字情報は適宜、最新情報に更新していくため、陳腐化することはない。さらにスピーカー機能を備え、応援歌などの音声を同時に流すことで、宣伝効果を高めていく。

今後は今実証実験などを通じて、実用化に向けた技術検証を行うとともに、文字などの可変情報を、ネットワークを通じて配信するシステムなど、周辺システムの整備を進め、大日本印刷が提供しているオンデマント印刷サービス『Pos-La(ポスラ)』の新製品として、2010年春より販売を開始する予定とのこと。

現時点で同ポスターを撮影した動画はアップロードされていないので実際にどのような表示になるかは分からないが、動きと音と光を合わせたポスターは、ごく普通の紙のポスターと比べて相当なインパクト(それこそテレビを貼りつけたような)効果があるだろう。電源の供給方法(今ポスターでは不明)とコストの問題を解決することができれば、それこそ普通の紙のポスターを貼りつける感覚でこの「インタラクティブなポスター」を道端に貼り、強い印象を与える宣伝が行われるという、未来的な展開も不可能ではない。もちろんその分、うるさくてかなわないという心配もあるだろうが。

ただ、ここまでくると、これを「ポスター」と呼んでよいのか否か、少々疑問が頭に思い浮かぶのは当方だけではあるまい。【メディアパブでも紹介されている】 「紙の雑誌に動画広告を貼りつける手法」が、果たして「雑誌(の広告)」と呼べるのか否か、というのと同じように……。



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